JC22 諏訪田製作所 [刃物鍛治] × ビッグ・ゲーム
“HOLLOW Cooking Knife”
新感覚のかたちと世界に誇る切れ味
国を超える料理の相棒
江戸時代に始まった和釘製造をきっかけに鍛治産業が盛んになった新潟県燕三条地域には、現在でも鍛治産業を中心に、金属加工にまつわるさまざまな産業が息づいている。
世界的にも信頼される技術を誇る燕三条の数々の工場のひとつで、今や生産が追いつかないほどニッパー型のつめ切りが国内外で評価されている諏訪田製作所が、このプロジェクトで取り組むのは、会社として初めての試みとなる包丁。
諏訪田製作所の工場だけでなく、地域内の包丁メーカーの工房や地場産の商品が集まる産業センターなどを訪れ、この地でつくられる刃物の品質と技術を実感したビッグ・ゲームは、日本でも世界でも受け入れられる包丁の可能性を見出した。
諏訪田製作所を象徴するつめ切りの要素を細部に取り入れながら、この地域ならではの感覚と知恵を結集してつくりあげられる、万国のキッチンに馴染む機能と形、そして切れ味を兼ね備えた包丁シリーズだ。
諏訪田製作所の工場「SUWADA OPEN FACTORY」は誰でも見学ができるようになっている。
SUWADA OPEN FACTORYで鍛造工程を見学するビッグゲームのエルリック・プティ(左)、グレゴワール・ジャモノ(中央)、オーギュスタン・スコット・ドゥ・マルタンヴィル(右)。
諏訪田製作所の小林社長から説明を受けるBIG-GAMEの3人とR&Dの熊野亘氏。
1000度の高温に熱した鋼材を400トンもの力で鍛造する。この十分に鍛え上げられた鋼材が諏訪田製作所の刃物の品質を支える。
特殊なサンドペーパーを使用して研磨しながら製品が形づくられていく。仕上げの研磨でヘアライン加工や鏡面仕上げが施される。
左右の刃が寸分の狂いもなく合わさるように、指先の感覚を頼りに、特殊なヤスリで刃の調整を行う
諏訪田製作所の製品をじっくり見るBIG-GAMEの3人。
諏訪田製作所SUWADA Blacksmith Works
大正15年(1926)に、針金や釘の頭を切る大工道具「喰切」の製造で創業。
戦後もその技術を活かし、手加工による様々な特殊用途の刃物づくりに特化した。
なかでもニッパー型のつめ切りは類を見ないほどの切れ味と使い心地で絶大な人気を博している。
ビッグ・ゲームBIG-GAME
2004年にスイス・ローザンヌにて、フランス人のオーギュスタン・スコット・ドゥ・マルタンヴィル、ベルギー人のエルリック・プティ、スイス人のグレゴワール・ジャモノにより結成。3人の視点がひとつになったデザインには、実用性への精緻と日常生活への軽やかな発想力が共存している。