JC13 SHINDO[シリコーン]× ピエール・シャルパン
モダンな生活にも馴染むシリコーンのエレガントな佇まい
シリコーンという素材は、生活の身近なところでよく耳にするものだろう。航空機、自動車、建築資材、キッチン用品まで多種多様な分野で用いられている。なぜ汎用性が高いのか。それは、シリコーンが耐熱性(約250℃までの使用が可能)、耐寒性(−40℃の使用にも対応)、絶縁性、撥水性、耐候性(紫外線等)に優れているという特徴を持っているからだ。SHINDOはシリコーンという素材に着目し、日々研究開発を重ねる企業である。
今回JCがマッチングしたデザイナーは、ピエール・シャルパン。彼はマス・プロダクションのデザインに携わる一方で作品としてのユニーク・ピースも制作するクリエイターである。幅広い意味でのデザインに精通した彼は「素材が本来持つ可能性は何か」を徹底的にリサーチし、プロジェクトに挑んだ。工場を見学したシャルパンが注目したのは、立体物の一体成形の技術。また、SHINDOからはシリコーンを使った「日用品」というというお題が出された。
そして、シャルパンが提案したのはキャンドルホルダーとインセンスホルダーである。シンプルかつエレガントなフォルムは、モダンな生活空間にもマッチする。耐熱性にも優れ、手軽に水洗いができるシリコーンの素材を存分に活かし、生活にも馴染む新しいプロダクトが誕生した。
本プロダクトはストックホルムファニチャーフェアで発表され、好評を博し、今年7月より、そごう・西武、ロフトにて発売されている。
SHINDOSHINDO
福井県で、服飾副資材、産業資材、シリコーンの3分野を柱に事業を展開する企業。シリコーン事業部門は、この素材が有する優れた特性と可能性に着目し、1991年に設立。高付加価値を与えることで未知の用途に対応する商品開発を目指し、研究開発を重ねている。
ピエール・シャルパンPierre Charpin
1984年、フランスのブールジュに在る国立藝術大学を卒業し、1990年代はじめより、家具やオブジェのデザインに注力。『デザイン・ギャラリー・ミラノ』( イタリア ミラノ)や 『ギャラリー・クレオ』(フランス パリ)などとの仕事を続ける一方、世界的に著名なインテリア関連ブランド 『ザノッタ』『ヴェニーニ』『アレッシィ』などとの協業を続けている。
R&D 田渕智也Tomoya Tabuchi
1974 年、栃木県生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、家具メーカー入社。
インハウス・デザイナーとして、企画、デザイン、商品開発を担当する。
2010年、office for creationを設立。フリーランスで活動を開始。
家具などのプロダクトデザインを中心に、グラフィックデザインやアート・ディレクションも手掛けている。